優待クロス取引(以下、クロス取引)とは
株主優待の取得を目的に、同じ銘柄を同じ株数で現物株式の買いと、信用取引の売建を同時に取引する手法のことです。
現物の買いと信用取引の売建を同じ株数・同じ値段で取引することになりますので、株価の変動で損が生じるリスクを抑えることができます。
例:100株の取得で優待を得る場合
権利付前 1株1,500円 → 権利付後 1株1,000円に下落
買い:150,000円で現物株買う⇨ 権利付後 100,000円となり 5万円マイナス
売り:150,000円で株を売る ⇨ 権利付後 100,000円で株を買い戻し返却 5万円プラス
同時に上記の売買が成立するため5万円のマイナスと5万円のプラスが相殺され損益0へ。
クロス取引での売却損益が出ない仕組みはこのためです。
信用取引口座も必須
株を売買するのに必要な証券口座だけでは、信用取引(株の売りからスタート)できないので、優待クロス取引をするためには必ず信用取引口座の開設が必要です。信用取引口座の開設はインターネットで無料で開設できるため、信用取引をするしないに関わらず念の為開設しておくことをお勧めします。
発注する時期について
株主優待には権利付日と権利確定日があります。
権利を有する株主を特定するために、権利確定日 (通常決算日) を定め、その日の株主名簿に記載されている株主に、これらの権利を付与することとしています。権利を得るためには、権利確定日までに受渡しが完了している必要があり、権利付最終日(権利確定日を含め3営業日前) の大引けまでに約定し保有していたものについて、その権利が得られます。
その企業の権利最終日から3営業日前が権利確定日になるよ。
例)3月末の権利確定銘柄の場合
3月末の権利確定日優待銘柄をもらう権利を確定させるためには、3営業日前の3月29日に株を取得している必要があります。3月29日に取得していれば3月31日に株の受渡しとなるため、株主として登録されることになります。3月30日には株を持っている必要はないので、3月29日の相場終了後(念の為19時以降)に現渡を注文しておくとOKです。
証券会社によって、保有している株の銘柄ら株数が異なるため、欲しい株の残数などによって購入タイミングを決めるのがいいと思います。人気な銘柄は早めになくなることも多いため、取得費用と照らし合わせて発注します。
実際の発注画面で説明
イオンモールの株主優待はイオンで使えるギフトカードで使い勝手もいいので今回こちらの注文画面を例に説明しますね。
買い注文方法
今回は10,000円相当のギフトカードを貰いたいので、1,000株注文します。
もちろん100株以上で3,000円相当ももらえるため、100株でもOKです。
相場終了後に、買い注文と売り注文を発注します。
上の画面を見てもらうとわかりやすいかと思いますが、現物買の1,000株で成行で注文します。
赤丸で囲んだところだよ。
売り注文方法
信用売りするときは、逆日歩と言って高額な利息が出る可能性を防ぐために、一般信用で売り注文を出します。株数は現物と同じ1,000株で成行で発注します。
一般信用売りができる株数は証券会社によってや人気度によって変わるため、在庫がある場合発注が可能です。もし、在庫不足で発注できなかったら現物の注文も取り消すのを忘れないようにしてくださいね。
これで、翌日の朝には現物と信用売り同じ株数が同じ値段で取得できます。
決済方法
権利付最終日中に決済してしまうと権利が発生しないため、必ず翌日以降に決済するようにします。
決済方法は、返済注文⇨現渡で発注するだけでOKです!
信用売りの返済方法を現渡で決済することで、持っている現物株を引渡しで返済完了(相殺みたいな感じ)となります。そのため優待クロス取引が実質タダ取と言われるんですね。
あとは、3ヶ月後くらいに届く株主優待を楽しみに待ちましょう。
取得費用について
クロス取引では、株価の上下に伴うリスクはゼロですが、手数料や信用取引で1日当たりの金利が発生するため、発注の時期や優待内容を決めるときは少し考慮する必要があると思います。
具体的な手数料目安については、私の株主優待で届いたもの紹介で記入していくので参考にしていただければと思います。手数料や金利は証券会社によっても違うのでご了承ください。
おまけ
届いた株主優待がこちらです。ちょっとした取引をすることでお得にお買い物ができて節約効果にもなりますね!